「集中投資」という戦略で成功を収めたいと本気で願う者に、心の底から「まずこれを読め」と推薦する本が数冊あります。

本書、『株式投資で普通でない利益を得る方法』は、間違いなくその筆頭です。

バフェットが「15%はフィッシャーだ」と語った意味

あのウォーレン・バフェットが「自分の投資哲学は85%が(師である)ベンジャミン・グレアムで、15%がフィリップ・フィッシャーだ」と語ったのは有名な話です。

「割安株(バリュー株)」の父であるグレアムに対し、フィッシャーは「成長株(グロース株)」の父と呼ばれます。一見、相反するように思えるかもしれません。

しかし、バフェットがフィッシャーから学んだ「15%」こそが、彼を単なるバリュー投資家から、コカ・コーラやアップルのような超優良企業に巨額を投じ、長期で保有し続ける「集中投資家」へと進化させた核心なのです。

「何に」集中すべきか? その答えがここにある

集中投資は、あなたの資産を爆発的に増やす可能性を秘めた、強力な戦略です。しかし、それは「適切な対象」に集中してこそ。もし間違った企業に資金を集中させれば、その損失は計り知れません。

では、集中投資の対象たる「本当に優れた企業」とは何でしょうか? どうすれば、その他大勢の「そこそこ良い企業」と、10倍、100倍になる可能性を秘めた「普通でない企業」を見分けられるのでしょうか?

フィッシャーの答えは明快です。「徹底的に調査し、見つけたら長期間保有せよ」。

本書の真髄は、その「徹底的な調査」のための具体的な指針、すなわち「投資すべき企業を見つけるための15のポイント」にあります。

必読:「15のポイント」

この15のポイントは、単なる財務指標のチェックリストではありません。

  • その企業には、今後数年間、売上高を大幅に伸ばせるような製品やサービスがあるか?
  • その企業の経営陣は、誠実さと能力を兼ね備えているか?
  • その企業の研究開発は、同業他社と比較してどれほど生産的か?
  • その企業の利益率は、本当に優れているか?

これらは、企業の「質」を徹底的に見極めるための、鋭い問いの連続です。これらを一つひとつ検証していくプロセスこそが、集中投資で成功するための「調査」そのものです。

結論:集中投資家のバイブル

もし、あなたが「なんとなく良さそう」というレベルで投資先を選び、短期的な値動きに一喜一憂しているのなら、本書はあなたの投資観を根底から覆すでしょう。

集中投資とは、「15のポイント」をすべてクリアするような「普通でない企業」を探し出し、そこにあなたの貴重な資金を託し、どっしりと構え続けるという、忍耐と洞察力のゲームです。集中投資で「普通でない利益」を得たいと本気で思うなら、まずはこの一冊を手に取り、フィッシャーの哲学を骨の髄まで叩き込むことから始めてください。すべての道はそこから開かれます。